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世界平和を
大樹
すばらしき人生10

人はどんな時に『感動』するのでしょうか?感動とは、ある物事に深い感銘を受けて強く心を動かされることであります。


 まさにオリンピックとは、感動の連続であります。常に記録との闘いであり、己との闘いであります。自分の記録を塗り替えるために、日々の努力がある訳であります。そして、達成した瞬間、感動が強く心に焼きつく訳であります。観衆は、あたかも自分が達成したかのように価値観を共有できるのであります。ある方が云われた言葉に『感動とは筋書きの無いドラマ』と表現されておりました。人間とは、感動する生き物であり、大小関わらず感動できる事が大切であると思っております。2020年オリンピック東京招致が決まりました。チーム力で勝ち取った勝利と云えるでしょう。最近の傾向ですが水面下でのロビー活動が大きく左右するようであります。今回の招致最終プレゼンテーションで特に印象的だったのは、被災地のご出身で佐藤真海さんのスピーチは感動的でした。骨肉腫という骨のガンを克服され義足の現役アスリートとして活躍されており説得力がありました。そして、滝川クリステルさんの『お・も・て・な・し』の精神、その情熱がIOC委員の心を動かしたのではないでしょうか?今後、七年間はオリンピックムードで経済が活性化されるものと思っております。更なる経済の発展とインフラ(基盤)の整備による景気回復に大いに期待したいものです。


 さて、私は戦後十年目に生を受け、戦争は悪い事であるという認識は充分にあったのですが、小学時代に戦争ドラマが放映され興味を持ち視聴しておりました。第二次世界大戦下での、アメリカ陸軍歩兵連隊のある分隊の活躍で、いつもアメリカ軍がドイツ軍に勝つというシナリオでありました。タイトルは「コンバット」という番組でした。私は、そのドラマを見て育った訳ですが、アメリカ軍はとてもカッコイイと思って見ておりました。そして、友達とコンバットごっこをよくやったものでした。登場人物のサンダース軍曹のヘルメットは他の隊員と違い迷彩布がついており、型式M1928A1という機関銃を持っており、銃弾の出るスピードがダントツに速く簡単に敵を倒す事ができました。また、無線のやり取りもかっこよく、「チェックメイト・キングツー、こちらホワイトルークどうぞ・・・」と戦況を報告する姿が何とも言えませんでした。その影響で無線の免許を取得した訳であります。このアメリカの軍事力を見れば日本が負けるのも無理はないと思いました。戦争映画やドラマは好きでしたが、戦争は断じて反対です。誤解の無いようにお願い致します。


 そこで、そんなドラマの影響もあり戦車、飛行機、軍艦、空母などのプラモデルを沢山作りました。子供心に物を作っている時は、とても有意義に思いました。そして、作ったプラモデルを暫くすると壊してしまうのも好きでした。なぜか模型の中身に興味が沸き、創造と破壊を繰り返していた訳であります。何故か壊した時にも満足感が得られたのはどういう事なのでしょうか?物を大切にしないといけませんよね!大人になると理解できるのですが、子供の時は、好奇心が大部分を支配してしまった訳であります。なかでも、戦車が大好きで、本物に乗ってみたいと思った事もありました。物を作る時に完成した時の事を想像するだけでわくわくしたものでした。


 社会人になってから、広島県呉市にある「大和ミュージアム」に行きました。会場の入り口に大和ひろばがあり、そこには実物大1/10の戦艦大和が展示してありました。また、日本に数機しかない零戦もありました。人間魚雷「回天」の展示には、戦死を覚悟に肉声で母に捧げた遺言が流れておりました。戦争の大きな罪を考えさせられる所でもありました。戦艦大和を観るのを楽しみに行った訳ですが、回天を見た瞬間、自分の中で戦争を美化していた事に気づかされました。複雑な心境になりましたが、とにかく戦艦大和はすごい軍艦でした。


 仕事には人のためにならない仕事は何一つありません。どんな仕事でも必ず誰かの役に立っております。私は仕事ができる事に『喜びと感謝』することが大切であると常々思っております。以前記させて頂きましたが、入社まもなく会社に大きな損害を与えてしまいました。その時、私はこう考えました。会社に迷惑をかけてしまったけれど、命まで取られることじゃないと思いました。クヨクヨしてもしょうがない事であり気持ちの切り替えが必要でした。そして、今、自分に何ができるのかよく考え行動をしました。その時に私の中で『気づき』が生まれたのです。そして、失った実績を別の形で取り戻そうと考えた訳であります。それには先ず、自分自身を変えなければならないと思い『良い人間』になろうと決意しました。良い人間とは『人の役に立つ人間』の事であります。顧客が何を欲しているのか?何を期待されているのか?何を必要とされているのか?など顧客ニーズ(要求)を引き出さなくてはなりません。そのためには対人能力のスキル(技量)を高めなければなりません。方法としては話術が重要なファクター(要素)となります。会話術を高めるためには、色んな専門知識・一般知識・雑学知識が必要であります。その上で話し上手にならなければなりません。話し上手は『聴き上手』と申しまして、相手を会話の中心人物にして重要な事を聞き出すのであります。自分としての意見は持っていた方が良いですが、相手の考えている事に相反する考えは出さない方が得策です。しかし、一定の信頼関係が構築できれば、自分の意見は意見として相手に伝えた方が良いと思います。


 ある一例として、私の場合は十年間お客様を病院までお迎えに行った事が『良い人間』としての自分の立ち位置を明確にした訳であります。『良い人間』として認知して頂くまでは、自分の信念を曲げずに最後までやり遂げる事が極めて重要であります。信頼関係ができれば色んな情報も容易く入手できます。しかし、忘れてはならない事は、仕事への『感謝』の気持ちを持ち続けなければなりません。私自身体調が悪い時とか、ほかに約束ができた場合とか、色んな状況がございましたが、最優先で取り組みを致しました。相手のニーズ(要求)が解からないまま、下手な鉄砲100発撃ったところで当たる確率は皆無に等しいと思われます。かえって人間関係を悪くしてしまう可能性が高いのであります。人間みな顔が違うように顧客ニーズ(要求)が違います。そのため聴き上手になり、相手のニーズ(要求)を引き出す努力が必要となります。この事は仕事の基本中の基本であります。


 人間は、努力すれば自分を変える事ができます。しかし、今の自分に満足していると変える事ができません。どんなに素晴らしい人でも、更にもっと素晴らしい人間としての磨きをかける必要があります。人生一生勉強であります。一日一日の努力の成果が『成功』の二文字となります。自分自身を高めるための最も近道は『良い人間』になる事です。そんなに難しい事ではありません。一言で『良い人間』と云っても、自分が悪い人間と思っている人は恐らく誰一人とおられません。しかし、良い人間であっても『人の役に立つ人間』にならなければなりません。従いまして、今の自分に『気づき』が生まれ、自分の欠点を知り、改善し、磨きをかけ『良い人間』を創造する事が重要となります。そうすれば、必ず、魅力、説得力、求心力ができ、仕事もスムーズにできるようになります。このように、自分自身に磨きをかければ、必ず対人関係もうまくゆき、信頼関係も素早く構築できると思っております。


 冒頭にありましたように感動について少し触れたいと思います。人を感動させる事がビジネスで最も重要なファクター(要素)であります。一口に感動と云っても、人それぞれ価値観が違います。相手を理解し、融和し、認知し、尊敬した上で、価値の共通部分を模索します。次に相手が満足してくれる事をセレクト(選択)し、多方面からアプローチを掛けます。感動とは想像を絶する喜びであり、予期せぬ『サプライズ』(驚き)が感動に直結します。その感動を定期的に行う事が重要であります。そうすると、相手が期待をするようになります。そうなれば、『もう鍋に入れた』も同然であります。かくして、顧客の創造を行い『自分のファン』を増やす事になります。いわゆるホスピタリティ(おもてなし)の精神が、感動に繋がる事と信じております。人間とは不思議なもので、自分の事を考えてくれると思うと嬉しいものであります。相手を気遣ったり、心配したり、気に掛けたりされると嬉しいものです。これはまさに認知しているという基準となります。ある意味、人間は単純にできているのかもしれません。私たちが仕事で成功を収めるための必須アイテム(項目)は、いかに『感動』を与える事ができるかに尽きます。


 法華経は2600年以上の長きにわたり信仰されている事、すなわち、これがまさに真の教えである事は疑う余地もありません。お釈迦様の説かれた「因果の二法」は森羅万象すべてに係る永遠不滅の真理を説いておられます。私は、この真の教えに縁があり、法に触れる事ができた事に感謝をしております。


 仏法の根幹となる大綱の中に、この娑婆は、『諸行無常』と説かれております。まさに、諸行無常とは、この世の一切のものは常に変化し生滅して、永久不変なものはないという事であります。従いまして、今やれる事、今やるべき事を直ちに実行しなくてはなりません。杉山教祖さまが申しております『行住坐臥』 『南無妙法蓮華経』と唱える事。そして、六波羅蜜の修養をしなさい。そして、三徳『慈悲』 『誠』 『堪忍』の実践が極めて重要とおっしゃっておられます。私たちは、その実践を常日頃より行い、積徳する事を忘れてはいけません。


 法公先生も『慈悲』これが一番徳を積む事ができると申しておりました。『人のためになる事をする』 『人に喜んで貰う』 『人が感謝してくれる』この事が大切である。そして、『堪忍』しなければなりません。怒ると徳がどんどん減ってしまいます。絶対に堪忍しなければなりません。先生は大地のような大きな器の人間になるようにと何度も何度も講演でお話をされました。実際、法公先生が怒った事は一度もありませんでした。有言実行こそ大事であります。私たちも先生を見習い『徳高き人』を目指し積徳の実践をしましょう。そして、健康で長生きをし『すばらしき人生』であったと云える様、日々精進を致しましょう。


合 掌


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