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世界平和を
大樹
すばらしき人生11

故事ことわざに『温故知新』とあります。昔のことをよく学び、そこから新しい知識や道理を得ること。また、過去の事柄を研究して、現在の事態に対処することであります。私達が『法華経』を勉強し深く追究することにより「教え」を正しく理解することができます。常に法の眼で見ること、すなわち「教え」に照らし合わせ物事を捉え、判断することが重要であります。そして、この世は『諸行無常』であります。この世に存在するすべてのものは、同じ状態を保つことなく移り変わっていき、永久不変なものなどないということであります。『温故知新』のごとく過去を知り、理解し、新しい知識で対処することが求められます。


 誰もが知っている世紀のイベントで先月2日夜、伊勢神宮内宮にて新しい正殿にご神体をうつす『遷御』が営まれました。20年に一度の「式年遷宮」が厳かに執り行われました。690年、持統天皇の時代より始まり62回を数えることとなりました。外宮は5日、そして、翌日には御神楽で、33ある遷宮諸祭すべて終了し幕を閉じました。とても神秘的で感動的な思いを持ちました。日本人に生まれて良かったと改めて感じた次第でございます。


 この法公会も式年遷宮の年に立教をしました。今年で立教四十周年でございます。何か因縁めいたものを感じる所でございます。皆様のお蔭をもちまして、無事、四十年祭を迎えることができます。たぶん法公先生は四十周年までは、何が何でも見届けたいと思っていたことと思います。法華経の布教「広宣流布」には、最大限の力を注ぎ、信者様のお力になることが、自分の歩むべき道であると悟られたのでしょう。教えを広め信者様をお救いすることができ、本懐を遂げたことと思っておる所でございます。私は、この偉大なる法公先生と母の子であったこと、日々感謝しております。


 私には一卵性双生児(双子)が生まれた時の驚きと喜びについて、以前、ご紹介をさせて頂きました。子供を授かることの尊さと責任は親になって初めてわかるものであります。いかに育てることが大変なのか、しみじみ感じさせて頂きました。しかし、嬉しいことや楽しいことも多くあり、辛い思い出はすぐ忘れてしまうものであります。どこの親も子供や家族のために一生懸命、働き生活をしております。仕事に集中して頑張れるのも子供のお蔭であります。昔から「子は鎹(かすがい)」と申しまして、子供のお蔭で夫婦仲が良くなるものであります。ご先祖様に感謝し、両親に感謝し、子供にも感謝をする。すべてに感謝し、人生楽しく有意義に送らせて頂いておる所でございます。


 私は子供が小さい頃、すごく感動した出来事がありました。二人ともアレルギー体質でありました。そこで、体質改善をすることが最も重要視されておりました。子供が四歳で幼稚園に入る前のことでした。先ず、スイミングスクールに行かせることを決意しました。こんなに小さいのに大丈夫かなと思いましたが、大正解でした。スイミングの全身運動がアレルギー体質の改善に効果が出始めました。結局、8年間スイミングに通ったこととなりました。お蔭様で二人ともアレルギー体質の改善に繋がることができ感謝しております。そして、五歳の時、県の水泳大会で50メートル自由形の種目に出ることとなりました。スクールでは25メートルのプールでしたが、この会場のプールは50メートルであります。最後まで泳げるかどうか心配しましたが、タイムは別として最後まで泳ぎ切った時の、あの感動は今でも脳裏を離れません。


 さて、仕事ができるということは、ありがたいことであります。前号で触れましたが、良い仕事をするためには、自分の目標を定め、「良い人間」になると同時に、相手に感動を与えることが最も重要であります。人間というのは時々、勘違いをいたします。一生懸命、働いて人の二倍仕事をしたから『努力すれば成果がでる』と勘違いをすることが、往々にしてあります。仕事で大事なことは、どれだけやったという時間(長さ)じゃなく、どのようにやったかというプロセス(過程)が極めて重要であります。一生懸命、仕事をした自分に満足をしてしまい、その内容はあまり考えないものであります。仮に「良い人間」いわゆる「相手のためになる人間」「感動を与えることができる人間」になったとしても、「相手のニーズ」(要求)にフォーカスできなければ、いくら長い時間仕事に費やしても成果は生まれません。以前にも申しましたが、大事なことは、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・知覚、それと直感です。これらの六感を磨く努力をしなければ成功への道のりは長くなるばかりであります。誰もが皆、公平にチャンスは巡ってくるものであります。そのチャンスをチャンスと判断できなければ、掴み取ることはできません。従いまして、六感を磨く必要が出てくるわけです。


 直感とは推理・考察などによるのではなく、感覚によって物事をとらえることであります。いかに己の直感に鋭さを増すか?フィールド(領域)を広げるか?取捨選択できるか?優先順位を付けられるかどうか?自分でシナリオを描き、自作自演できるかどうか?そして、最終的にサクセスストーリー(成功事例)の蓄積が極めて需要となって参ります。そして、そのサクセスストーリーの引出しを多く持った者こそ、真の成功者と云うべきであります。勿論、コミュニケーションスキル(対人能力)も必要であります。課題解決の糸口が見つからないまま仕事をしても、暗に時間の無駄になるばかりです。学校でのテストも同じであります。点数の高い問題から解いた方が効率的であります。また、わからない問題をいくら考えても無理であります。わかる問題から解いてゆくのが定石でしょう。


 ところで、製薬会社に入社して驚いたことは、CSR(企業の社会的責任)に軸足を置いている会社に入れて良かったと、つくづく思いました。糖尿病を患っている方々のサポート(支援)を会社を挙げて行っておりました。特に一型糖尿病(インスリン依存型)のペイシェント(患者)の方は、一日に3~5回の注射を必要とします。そして、SMBG(自己血糖測定)も日に7~8回しなければなりません。発症のメカニズムは、まだハッキリわかっておりませんが、生活習慣とはあまり関係がございません。ある日、突然発症するようであります。年齢的には学童もしくは小学生の低学年が多いようです。毎日のQOL(生活の質の向上)の改善を最優先に考えており、注入器の操作が簡便で、痛くない針の開発に全力を注いでおりました。また、全国的なイベントで「小児サマーキャンプ」と題して、医療機関が中心となり、夏休みに各地で子供さん向けの糖尿病教室が開催されます。私達は医療スタッフと連携し開催準備や後方支援としてお手伝いができたことに誇りを持っておりました。また、二型糖尿病(インスリン非依存型)のペイシェントの方々にも、医療機関における糖尿病教室のお手伝い、並びに各地で開催される糖尿病ウォークラリー(歩いて学ぶ糖尿病)のお手伝いもさせて頂きました。


 私が、静岡県を担当していた当時、県糖尿病協会主催のハワイ研修旅行に参加をさせて頂きました。勿論、ボランティアで同行させて頂きました。糖尿病専門ドクターであり協会長の先生と看護師数名とペイシェントと全体で30名程のツアーでした。ハワイともなりますと、時差があり食事の時間が変わるため、高血糖になられた方、或いは低血糖になられた方とおられまして、右往左往しましたが、何とか三泊五日の研修旅行で、けが人もなく無事、日本に帰ってくることができました。この主たる目的は、糖尿病という持病があっても、健常人と変わらぬ海外旅行ができるという所にあります。人様のお役にたてたこと、そして、喜んで頂いたことが、今でも自分の大きな財産となっております。そして、この会社、社員となれたことに誇りを持ち仕事ができたことに感謝しております。


 全国組織のあるグループ病院の理事長先生は、自分の弟さんが病気でお亡くなりになりました。先生は村の診療所に駆け込んだそうですが、休日深夜と相まって、診て頂けなかったそうでございます。このことがきっかけでドクターになる決意をされたそうであります。また、現在では、医療の遅れた国々や財政が豊かでない国々に対し人工透析器を何百台とご寄付をされております。ある国では、病院を寄付されたこともありました。国内のみならず、全世界に向け医療の発展と病気の撲滅のため、尊いご寄付をされておられます。あらためて『人の命の尊厳』を世間に発信され素晴らしい先生であると誰もが認める所でございます。


 私達は、皆助け合って生きているのです。誰一人と、ひとりで生きられる人間はおりません。「諸法無我」この世の中には何一つとして単独で存在するものなど無いということであります。この世に生を受け、大自然の恵みにより生かされていることを実感し、感謝して生きることが大切であります。お釈迦様の説かれた「因果の二法」は、森羅万象すべての真理であります。この尊い教えの導きにより三徳「慈悲」「誠」「堪忍」の実践こそ重要であります。自分の体が動けば、困っている人々を助けることができるのは、人間だけであります。この人間の素晴らしい英知を振り絞り人様のお役にたてることが、人間として一番満足できる瞬間であります。泣いたり、笑ったり、怒ったり、褒めたり、失望したり、尊敬したり、いろいろ喜怒哀楽があるのも人間だからこそ感情表現ができるのであります。そして、感情のコントロールができるのも人間だけであります。私達は、日々の暮らしの中で、お釈迦様の説かれた尊い教え「法華経」の良い縁に触れ、『教え』を学び、その「教え」が生活の中に溶け込んでいるはずです。


 私達の目指す所は、心身の健康を目標にして頂きたいと思っております。そして、健康で長生きができるような環境の整備をしなくてはなりません。朝起きたら、先ず、鏡を見て笑顔を作りましょう。そして『笑い』は健康のエッセンスであります。日常、おおいに笑いましょう。そして、無理のない運動(ウォーキング)などで、動ける体をキープしましょう。そして、毎日、大きな声で『お経』を唱えましょう。大きな声を出すことが腹式呼吸となり体に良い結果をもたらします。


 真の教え『法華経』の力を信じ、「良い人間」となり、善因善果の基となる「良い種」を蒔き続けなければなりません。そして、将来、良い種より「良い実」が現れます。このことを継続することにより「徳高き人」となり、自分の魂を磨くことに繋がって参ります。この魂の浄化こそ『すばらしき人生』になると確信しております。


合 掌


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