六月は水無月と申しまして、文字通り梅雨が明け水が枯れてしまうという説と、水の月という説といろいろありますが、この時期に雨が沢山降らないと困る訳であります。地球上のすべての動植物は自然の恵みにより生かされております。太陽の光と空気、そして水があるから生きられるのであります。勿論、無ければ地球上の全ての生物は存在しないのであります。あたり前のことですが、自然の恵みにより生かされていることに感謝することを忘れてはなりません。
さて、一年も半分終わろうとしております。今年の正月は暖かく穏やかであったと記憶しております。一年の計は元旦にある訳ですから、後半に向け、さらに良くなって行くと思っております。日本の経済が60年代の高度成長期から、今では成熟期と移り変わって参りました。日本の経済も大きな転換期がやって参りました。TPP(環太平洋経済連携協定)とは、自由化レベルが高い包括的な協定であります。モノやサービスの貿易自由化だけでなく、政府調達、貿易円滑化、競争政策などの幅広い分野を対象としており、物品の関税は例外なく十年以内にほぼ100パーセント撤廃するのが原則であります。我が国においては、品質、価格、安定供給が重要となってまいります。そして、一番大切なことは諸外国と競争できる体力を付けなければなりません。
いま日本の古着、自転車、電化製品、雑貨品やあらゆる中古品が海外の市場に出回っております。メイド・イン・ジャパンは「安心」「安全」「良質」ということで、売買されております。また、ユーズド・イン・ジャパンでも高品質といわれ世界で認められております。外国製でも日本で使われていたというところに価値があるようであります。
日本製品は本当に優れていると思います。しかし、物を大切にするという習慣や価値観が薄らいできているように思われます。使い捨てというカルチャー(文化)が物を大切にしない風潮を巻き起こしてしまったのではないでしょうか?最近、日本の中古品買い取り専門業者が関東を中心に増えているようであります。私たちが要らなくなった物を買い取り業者に売ると、その中古品が大きなマーケットの東南アジア、中東、アフリカなどで販売される訳であります。皮肉にも日本のママチャリが中東の街を走り回っているのであります。日本人は総じて豊かであると勘違いをしているようであります。物が豊富にあることが人間本来の目指すべき姿ではないはずです。心の豊かさが極めて重要であります。満ち溢れるほど物があっても、決して心は豊かになりません。先ほどの買い取り業者に売って、また別の物を買う。このことの繰り返しにより何となく満足していると勘違いをしているのであります。とにかく物を大切に使うこと、無駄遣いはしないこと、節約して生きることに価値を見出すようにならなければならないと思っております。
以前、静岡県で九年間仕事をさせていただきました。静岡と云えば温暖な所でございます。あの徳川家康の居城の静岡駿府城がございました。今は天守閣もありませんが、東御門や巽櫓しか残っておりません。東西と北側を山に囲まれているため、守りは盤石であったのでしょう。
私は静岡市内に社宅を借り生活をしておりました。この地に住めば毎日富士山を拝謁できると期待しておりましたが、近くの山に阻まれて見ることは叶いませんでした。そんなある日に、子供が千代田幼稚園に通っていた時、毎年恒例の運動会がございました。子供の競技も幼稚園なので大掛かりなものはありませんでした。私はビデオ担当でありました。どの親も同じようにカメラやビデオで我が子を撮影することが大きな仕事であります。そんな時、父親対抗の障害物競走に参加しましたが、思った以上に足がもつれて走れませんでした。人間の体というのは、以外と老化が進んでいると実感を持った次第であります。
静岡市にある大病院の糖尿病専門外来は、いつも患者さんで混雑しておりました。私は営業で某ドクターに面会をするため訪問をしておりました。訪問日は週二回で、12時30分から13時30分の一時間だけであります。一週間に二時間しか商談のチャンスがありません。私は薬局で宣伝許可をもらい、専用の名札をつけ一目散に目当てのドクターの外来に向かいます。多い時で1日10名ほどのMR(医薬情報担当者)が群がって参ります。私が一番に面会すると他のメーカー諸君は諦めて別のドクターに面会します。何故ならばドクターが私に一時間フルに時間を下さるからであります。競合他社にも面会させないテクニックを使う訳であります。このように他社にチャンスを与えないことが最大の防御となり売り上げの向上に繋がって参ります。図々しいMRは、私がドクターと会話している最中に一言だけ話をさせて欲しいと懇願するMRもおりました。「敵に塩を送る」ではないですが、寛大な所も必要でありました。そして、肝心なのはコ・メディカル(看護師さん等)との信頼関係が最も重要でありました。私の会社はインスリンを使っていただいており、専用の注入器の取り扱いの説明をコ・メディカルの方々がして下さるのであります。患者さんに直接指導できるのは、ドクター及びコ・メディカルスタッフだけであります。注入器の説明をしていただく訳でありますから懇意にしてもらわないといけません。そして、ドクターの意見よりコ・メディカルの意見が通る場合もあります。どちらとも仲良くしておくのが定石であります。また、「○○病院糖尿病友の会」と題した患者さんの会がございます。私は友の会における勉強会には必ず参加をします。今お使いの注入器の不具合やメンテナンスなどを兼ね患者さんと仲良くするという戦法をとるのであります。エンド・ユーザー(患者さん)の囲い込みも重要となってまいります。製品を取り巻く全ての方が顧客であります。このように顧客志向を高めることにより信頼関係の構築を図ります。更なる売り上げの向上に貢献を重ねることこそプロ営業マンではないでしょうか。
1999年より四国の責任者となり高松市に住むことになりましたが、いろいろ問題もありました。当時、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)と云いまして、事業所の統廃合が実施されました。そして、高知県と愛媛県の二県を某課長に任せることになり、半年ほど経ちました。突然。ゴールデンウィーク直前に担当課長より話があると連絡が入り面接をすることとなりました。確か連休中の四月末日でした。話の内容は五月末で会社を辞めるという内容でした。会社の規定で退職の一か月前に上司への報告が義務付けられております。しかし、前半の連休に入る直前に相談の話を聞きタイトなスケジュールで話を持ちかけられるこことなりましたが、その件は受理し退職願を出すように指示をしました。そして、顧客へのアナウンスはもう少し待つよう指示を出したのですが、当人は次の会社のことで頭がいっぱいになり、非常に大切なドクターへのアナウンスを連休明けに一人で勝手に行ってしまいました。そうしたら、ドクターに怒鳴られたということでありました。やはり、怒ってしまったかという悔しさで満ち溢れました。会社でも超ビップなドクターに大事な話を上司抜きで一人でしたことが逆鱗に触れてしまった訳であります。あぁー、辞める人間というのは「心ここにあらず」だなと思った次第であります。その後、ドクターの怒りが消えることは暫くありませんでした。結局、出入り禁止となりリカバリーできないままチャンスを掴む機会を阻まれました。「一寸先は闇」という諺があります。何事も手順を間違えると取り返しのつかない結果が待ち受けております。物事、慎重の上に慎重でないと、長い年月をかけて築いた信頼も一瞬にして崩壊してしまうものであります。事件後、よくよく考えてみれば、この課長も担当エリアが広いため計画的にアナウンスをしないと難しいと考え勇み足になったのであろうと私は理解しております。逆に、こんな担当者の件で怒るドクターもドクターだと思うようになり、自分の中では十分消化されたと思うようになりました。しかし、何故か売り上げは落ちませんでしたので、大勢に影響は殆どありませんでした。顧客に話す時の難しさが改めて勉強になりました。
人間には、意識と無意識の二種類の意識があります。「三つ子の魂百まで」という諺がございます。人間は、おおよそ三歳までにその人の性格が決まると云います。従いまして、お母さんのお腹にいる一年と生まれて三歳までの四年間が子供にとってとても重要な時期であります。幼い頃の性格は、年をとっても変わらないということなので、その時期の生育教育が重要となってまいります。環境が子供に影響を及ぼすのであります。笑いの絶えない家庭では心穏やかな性格の子供になるでしょう。逆に喧嘩や愚痴ばかりの暗い環境は子供に悪い影響を与えることでしょう。子供が小さいから何を言っても分からないと思ってしまいますが、そうではないのであります。三歳までの子供は、周りの環境での出来事を無意識の意識の中に記憶されてしまうと云われております。そうなると、生育環境次第で性格が変わってしまうということは、如何に夫婦円満で笑いのある家庭を作ることが重要かお分かりいただけますでしょうか。
いよいよ開祖・法公先生の銅像工事が着工となりました。これも偏に信者の皆様のお蔭と感謝しております。誠に有難うございます。先ずは、基礎をしっかりと作ることが大切であります。何事も土台が肝心であります。銅像は、すでに高岡でミニチュアが出来上がり画像で確認をしました。表情がとても似ており完成するのが楽しみであります。今後も引き続き信者の皆様の厚いご支援を賜ります様よろしくお願い申し上げます。
真の教え『法華経』の縁に触れたことへの感謝をしましょう。そして、積徳の人生がすばらしいことを「教え」を通じ理解できたことに感謝をしましょう。そして、いま、生きていることに感謝をしましょう。両親、御先祖様のお蔭で自分の命があることに感謝をしましょう。大自然の恵みに感謝をしましょう。幸福の六カ条にありますように先祖への感謝と供養をすることが最も尊いのであります。
教祖・杉山辰子先生が示された『三徳』が、生きる意味で重要となります。『慈悲』 『誠』 『堪忍』の実践により、積徳することが大事であります。自分の人生は自分の手に係っております。高徳の人物となるための施しが「三徳の実践」と「先祖供養」であると思っております。どうか、本日より、こころ新たに感謝の気持ちを忘れず、三徳の実践を始めて頂きたいと思っております。よい人生とは徳を積むことにより切り開かれるものと信じております。これからも健康で長寿になるためにも、積徳の人生を選択することが「すばらしき人生」であったと云える日が必ず訪れることでしょう。
合 掌