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世界平和を
大樹
すばらしき人生3

名言に「継続は力なり」という言葉があります。物事を成し遂げるまで諦めずに努力し続けることが「経験」となって蓄積されるということであります。この経験こそは何物にも代え難い「力」になります。そして、経験は蓄積されればされるほど、その力に深みがでます。一つ一つの効果は微々たるものであっても、たゆまず努力を続けていけば、やがては一つの大きな成果を達成できると思うのであります。努力を1日10分でも10日で100分となり、1年で3650分≒60時間となります。経験という蓄積をどのくらい、そして、どれくらい長く続けているか。その経験の数と量、すなわち”経験値”が能力の差につながってくると思うのであります。

 ”経営の神様”は松下幸之助さんですが、私の尊敬する”経営の仏様”稲盛和夫さんの名言に「人生の旅路には近道も、また楽々と飛んでいける魔法の絨毯などもない。自分の足で、一歩ずつ歩いていかなければならない。小さな一歩一歩が積み重なり、相乗効果を生み出していく」この言葉通りに、ひたむきに精進・努力を継続する事こそ、究極をもたらすと思うのであります。

 ある日、友人より良きアドバイスをもらいました。営業で最も重要なのはコミュニケーション能力であります。ああいうタイプが苦手とか、こういうタイプが嫌いとか、よくいいますが、自分が苦手意識を持つ以上に、相手はもっともっと苦手と思うものだそうです。「苦手な相手ほど心を開いて、近づくべきだ!・・・」と教えてもらいました。

 確かに、私も同感でありまして、自分が嫌いと思えば思うほど、相手も嫌いであることには頷きました。従いまして、苦手、嫌いなタイプの相手こそ積極的に近づかなければ、永遠に平行線のまま、前には進みません。とにかく苦手な相手は作らないと心に誓ったわけであります。

 前号で私の失敗した内容を執筆させていただきました。私は年間1億2000万円の売り上げを無くしてしまいました。その時に、このように思ったわけであります。先ず、開き直ることが一番大切と思いました。そして、自分自身を変えなければならないと思ったわけです。これからは、人の為になろう、人に喜んでもらおう、人に楽しんでもらおう、人に感謝をしようと、日頃の行動で己の心を磨くよう努めて参りました。

 そして、担当病院の先生にターゲットを絞り込み、徹底的に”慈悲”の心を持ち、一心に仕事をしたわけであります。ある病院では、キーマンとなる先生に対し、誠心誠意、心を込め尽くして尽くして活動をすると同時に、自分自身の心を開き、依頼されたことは、決して断らないよう努めたわけです。毎日の日課は、専ら先生の足となって、仕事が終わってから駅までの送迎をさせて頂きました。毎日毎日、所定の時間に車を病院に着け、お送りしたわけであります。半年、一年と時が経つにつれ、少しずつ情報を頂けるようになり、仕事の環境が良くなってきたわけであります。食事や飲食を共にしたり、お弁当の買い出しや、様々な我儘を聞いてきたわけであります。三年、四年と続けると、逆に先生から感謝されるようになり、協力を得られるようになったわけであります。お陰さまで先生との信頼関係が構築でき、売り上げも、どんどん増えるようになったことは言うまでもありません。また別の病院でも、やはりキーマンを創り、今度は病院のお仕事の手伝いをするようになったわけであります。先生も普段の日常業務が緩和され、仕事に余裕ができ、感謝されたからであります。言うまでもなく、お互いの信頼関係ができ、情報も収集でき、やがて売り上げに貢献してくるわけであります。こんな頃より、”仕事が面白くてしょうがない”と思えるようになってきました。

 結局、仕事とは先ず自分の心を開くところから始まるものだと確信したわけであります。自分が貝のように心を閉じていたら、相手は決して心を開こうとしないものです。そして、苦手な相手は絶対に作らない、そして、本来の人間の弱さや弱点を正々堂々と表現することが、一番早い方法だと思いました。自分のことを理解して頂き、弱みを出せば、相手は親身になり色々とアドバイスをしてくれるものなのです。そして、相手の力の影響力で、強く逞しく成長することができれば、同じ喜びを共有することができるわけです。すなわち、互いに価値観の共有化をすることにより、共通の考え、認識、行動ができるわけであります。ただ、人間にもいろいろタイプがあります。選ぶ相手を間違えると、とんでもないことになってしまいます。くれぐれも、キーマンを選択する際には、厳格に人選して行動に移した方が、より賢明と思うところであります。

 ということは、人間観察の重要性が試されるところであります。ちょうど私が大学生の時に、前にも書きましたが、趣味が人間観察でありました。有難いことにやっと仕事で活用できるようになったわけです。結婚するのも同様のことが言えると思いますが、相手次第ということですが、その前に、相手を、よくよく観察して、心を開いて、隠し事が無いように接することが重要となります。

 また仕事上で、よく思ったことですが、得意先相手が父親ぐらいの年齢だったら、自分の父親と思い、また、年が近ければ兄弟と思い、誠心誠意、尽くすことにより、信頼関係の構築が大事であると思ったわけであります。つまり、心を開き相手と接することが、極めて重要であると気づいたわけであります。

 ところで、法公先生の遺品の中に、多くの法話ビデオやカセットテープがありました。私にとって、大変重要な宝物であります。今はちょうど春彼岸の講演テープを聞かせて頂いております。師祖・柴垣法隆先生の師祖祭と彼岸祭を執り行った時の内容であります。そのテープを聞かせて頂きましたが、先生はとてもご師祖様を尊敬なさっていることが、心臓の鼓動のように伝わってきました。講演の中で、法隆先生の”教えの法話”より、人には五つの目があるそうです。肉眼、慧眼、天眼、法眼、仏眼であります。慧眼とは学問などで学んだ知恵の眼、天眼とは目を瞑っても見える眼、法眼とは法を透して見える眼、仏眼とは仏の慈悲のまなこで見る眼とおっしゃっておられました。法隆先生は法眼が鋭く、長けていたとのことでした。そして、法眼による神通力や鋭い洞察力をお持ちになっておられたとのことです。私たちも切磋琢磨し、先を見通す力をつけたいものであります。

 そういえば、以前、母親より聞いた話ですが、ご師匠様の好きな料理のお話をお聞きしたわけであります。どちらかといえばお魚派だそうでして、白身のお魚を好んで召し上がられたそうです。また、大の好物は渡り蟹であったそうで、母は法座のたびに夕食に渡り蟹の準備をしたとのことでした。また、法公先生は先生が豊橋の五平餅が美味しいとおっしゃったので、法座の日に、わざわざ豊橋まで買いに行ったことも聞きました。豊橋から持ち帰れば餅は冷めてしまいますが、それでも先生の喜ぶお顔が見たくて、喜んで買ってきたようでした。

 当然のことでしょうが、お弟子さんがご師匠様を思う心とは、常に心を開き、常に尊敬し、常に純真であり、常に誠であり、常に感謝をすることであり、的確なご指導を受け、”見返りを求めない奉仕の心”が無ければならないと思うのであります。師匠は弟子以上に慈愛の心を持っており、愛情を注いでいるわけであります。先生は柴垣先生という唯一無二のご立派なご師匠様と縁に触れ、尊い多くの信者様との縁に触れ、宣教師、準宣教師、支部長、婦人部の先生方との縁に触れ、多くの方々の良縁に導かれ、この立派な法公会総本山を創ることが出来たわけであります。すべてはご師匠様、柴垣法隆先生の莫大な徳のお陰で成し得た宝物であると思っております。

 私たちは、法隆先生の莫大な徳の恩恵を授かった法公先生の大きな徳を少しでも相続できるよう努力・精進しなくてはなりません。お釈迦様の説かれた「因果の二法」森羅万象全ての真理・哲学を探究すべく、教祖様の説かれた「三徳」の実践、そして、法公先生が身をもって実践された布教活動を絶やすことなく、私たちが率先して「三徳」を実行しなければならないと思っております。これは使命であります。そして、一日一日、少しずつでも「慈悲」「誠」を実践することが求められます。そして、「堪忍」は絶対に守らなければなりません。時間はかかりますが、継続して努力をすることが、最終的に私たち全てが”すばらしき人生”を手中に収める最大の近道であると信じております。


合 掌


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