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世界平和を
大樹
すばらしき人生8

故事ことわざで”一念天に通ず”とあります。やり遂げようとする堅い決意があれば、その意志は天に通じ、必ず実現できるということであります。掲げた目標をやり遂げることが、自分の人生に於いて、とても重要となって参ります。何でもそうですが、”言うは易し、行うは難し”とあるように目標を立て実行しても、やり遂げることは難しいのであります。成功の秘訣は、最後までやり遂げること、そこが一番重要なのであります。

 富士山は、静岡県と山梨県に跨る活火山である。標高3,776m、日本最高峰であります。その優美な風貌は日本国内だけでなく日本国外でも日本の象徴として広く知られております。また、富士信仰である霊峰としても崇められております。今年6月22日に世界文化遺産に登録されました。日本の世界文化遺産としては13か所目となりました。非常に喜ばしいことであります。私はビジネスチャンスが拡大したと考えております。この富士山を世界に示すことができ、世界中より観光客が集まり、集客による収益増に繋がると思っております。

 四十数年前に、法公会青年部主催で富士山に登頂するというツアーがありました。現地へはバスで行き、富士山の御殿場口より登山を致しました。富士山制覇と聞いて喜んで参加させて頂きました。なにせ富士山に登頂するのは初めてでしたので大きな期待に胸が膨らみました。私たちは信者様とご一緒させていただき登山をさせて頂きました。

 五合目駐車場より登山開始となりました。山道に第一歩を踏み出した瞬間、空気の匂いと土の色が違うことを肌で感じました。大小の火山灰の石ころが辺り一面広がっておりました。確か御殿場口はあまり標高が高くなく1,400mの所にあり、頂上まで2,300mもあったと記憶しております。中学生の私にとって山道はとても長く感じられました。火山灰で登山道が縁どられておりました。長い道のりであり、ただ、ひたすら頂上を目指し前進あるのみでした。しかし、歩いても、歩いても、頂上は遥か彼方であります。足も棒のようになり、ようやく六合目の標識が目に入り、やっとここまでたどり着いたという思いと疲労がミックスされ、何とも言えない気持ちになりました。確か、山小屋は八合目付近だったと思うのですが、そこに、たどり着くのに五時間ほど掛かったと記憶しております。そして、二、三時間ほど仮眠を取り、再び山頂めざし登頂を開始致しました。一度休憩すると、なかなか体が思うように動かないものであります。しかし、ここが我慢のしどころであり、心の鍛錬と思い、黙々と山頂を目指した訳であります。疲労困憊の状況下では、人は無口になるものです。午前四時頃、あたりが薄らとなり富士山の雄大さを肌で感じ取ることができました。富士山の中腹あたりに一面の雲海が広がり、改めて最高峰であると実感を致しました。そして、九合目付近で”ご来光”を受け、太陽の輝き、自然の豊かさ、壮大さと、その恵みの大きさに深く感動を致しました。感極まると思った瞬間でありました。そして、九合目あたりより山道の傾斜も厳しくなり、もう山頂は近いと肌で感じていた丁度その頃、運の悪いことに辺り一面にガスが発生してしまいました。ほんの一瞬で前が見えないほどの状況となりました。結局、私たちは頂上への登山を断念する結果となりました。とても残念でしたが、危険を冒すことはできないため下山を余儀なくさせられました。しかし、富士山登山で”ご来光”を拝めたこと、怪我もなく無事下山できたことを思えば、大満足の登山であったと感謝しております。

 登山とは、つくづく人生に似ていると感じました。上り坂は、苦しく、辛く、痛く、まさに”四苦八苦”とはこのことであるように思えました。どんなに苦しくても諦めずに山頂近くまで登山できたことに感謝し、やり遂げたことへの達成感の喜びを噛みしめました。まさに感動そのものでありました。

 さて、私の中学時代にこんなエピソードがありましたので記させていただきます。幼少の頃より裕福な家庭ではありませんでしたので、何でも、自分の欲しいものを自作しておりました。以前にも書きましたが、プラモデルや工作系の事柄に興味があり、物を作る楽しさ、出来上がるまでもイメージ創り、出来てから実用まで全体のプロセス(過程)に興味があったのだろうと思っております。ある日、家の廃材を利用してある物を作りました。非常に実用的で毎日使用しました。それは、自分のベッドを作った訳です。子供心に、どうしても畳に布団というライフスタイルから洋風のベッドで寝てみたいと思いました。両親にベッドを買って下さいと言えませんでしたので、自分で作ろうと思い一週間ほどで完成しました。比較的丈夫なものが出来上がり、我ながら満足を致しました。しかし、一、二年で壊してしまいました。とにかくベッドで寝てみたいという願望というか憧れで作ったようなものでした。やはり布団の方が落ち着くと実感しました。

 ”一念天に通ず”とありましたが、座右の銘にしたいところですが、”仕事”という観点で考えてみたいと思います。営業とは、営利を目的として業務を反復継続して行うことをいいます。業を営んで利益を出さなければなりません。一般的に営業とはお客さんに対する”親切行為”や”物を売り込む行為”と誤解されがちですがそうではありません。お客様がこの製品を使うことのメリット(利点)を引き出すことがポイントです。前にも触れましたが、自分の”心を開く”そうすれば相手も必ず”心を開く”これは基本中の基本であります。勿論、誠実、親切、精悍、清潔、整理、整頓のいらゆる六エスも社会人としてマナーの基本であります。また、会社の仕事というのは、結構、無駄なことが多くあります。今何をやるべきか、何を捨てるべきか取捨選択し、仕事の優先順位をつけることが大切です。これが出来ないと駄目です。そして、話し上手でなければなりません。”話し上手は聴き上手”と申しまして、相手の話をよく聞いて、理解できる能力があれば話し上手になれます。一番いけないのは、知ったかぶりは、信頼関係を失墜させます。話し手より聞き手の方が失敗は少ない筈です。そして、常に心掛けることは”相手の立場に立つ”ことができるかどうかであります。いわゆる”人の痛みが解かる”ことができるかどうかが、仕事をする上でスタンダード(標準)となります。また、相手の心を読み取る”眼力”“目力”の鍛錬も必要です。人間は不思議なもので会話の中に見え隠れする善悪・真偽・成否など必ず目に出るものです。”目は口ほどに物を言う”という諺がありますが、そこをどう読み取るかが、自分の仕事に大きく関わって参ります。

 この社会で生き残るためには、当然、知識の習得は必須であります。専門知識と雑学知識の習得です。もちろん一般常識が無いといけません。そして、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・知覚それと直感です。いわゆる第六感であります。特に大事なのは嗅覚と直感になります。ここを鍛錬することが極めて重要であります。仕事においてチャンスはみな公平に来るものです。チャンスをチャンスとして掴み取るための訓練が六感を磨くことなのであります。

 次のステップで、ようやく人間関係構築という、非常に難しい部分がございます。現代は情報化社会と申しまして、事前に顧客の情報等はインプット(入力)しなくてはなりません。趣味・趣向・特技・家族構成・誕生日など色んな情報が無いと他社に負けてしまいます。人間関係を作るには、前述の”心を開く”はキーワードですが、相手の趣味・趣向を知ることにより共通の価値観というスペース(空間)を作ります。いわゆる価値観の共有化を図ることであります。私の場合は、ある時は”誕生日プレゼント攻撃”により人間関係を構築したり、マラソンやウォーキングにご一緒したり、医学学会に随行したり、いろいろ”打つ手”は沢山あります。この行為は、同じ価値観を持つことにより、ビジョン(将来の構想)の共有化や話題が増え、より良い人間関係を構築する秘訣であります。

 最終ステップで、ようやく製品を使うことのメリット(利点)へと導くことであります。極端にいえば、どんなものでも、メリットは必ずあると思います。相手のニーズ(要求)がどこにあるかを会話の中で”エキスの抽出”をしなくてはなりません。品質・適量・価格・利便・使用感・ブランド・産地など様々であります。相手の頭にあるニーズに対するメリットというものは、最初は潜在意識の中に薄っすらとあるものです。その潜在意識を顕在化してゆくテクニック(技法)が必要であります。そのメリットが顕在意識に変われば間違いなく使用してもらえるものであると確信します。

 以上のステップにより”毎度ありがとうございました”とクロージング(商談成立)できるわけであります。”一念天に通ず”とありますように、やり遂げようとする堅い決意で事に当たることをお勧め致します。

 私は法華経の偉大なる教えの力により、この世に何不自由なく生かされております。これこそ幸せの極みでございます。日々、感謝を忘れることはありません。そして、ご先祖様並びに法公先生に大変お世話になり感謝しております。また、母は17歳で法公先生と夫婦になりました。正直言って苦労の連続であったと思っております。どこの家庭でも同じですが、父親が仕事で稼ぎ、母親が家庭を守るという当たり前のことですが、文句ひとつ言わず努力していただきました。母にも大変お世話になり感謝しておる所でございます。

 杉山教祖さまは、行住坐臥、南無妙法蓮華経と唱える。そして、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・仏智の六波羅蜜の修養をし、功徳を積みことが大切である。不慮の事故や災難、病気から逃れることができる。そして、三徳をすること。始終一貫功徳を積むべし。かくの如く説法されておられます。

 私たちは、この尊い法華経の縁に触れ、偉大なるお釈迦様の説かれた『因果の二法』という、原理・原則・哲理に基づき、日々の暮らしの中で『三徳』の実践をしておられると思います。そして、この大自然の恵みに感謝し、生かされているということを実感し、今日あることに感謝を致しましょう。そして、自分の魂を磨き天寿を全うすることが幸せと思いましょう。私たちは”法華経”という尊い教えに出会えたからこそ”すばらしき人生”であったと云えるのであります。


合 掌


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